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カメラの選び方 基礎知識編(初心者向け) 青年海外協力隊への道

海外で2年間生活することになるってことで、
青年海外協力隊に合格したのを機にカメラを買う人って多いみたいです。

色々な人からカメラについて聞かれることが増えてきたので本ページを開設することにしました。
(協力隊以外からの問い合わせのほうが多いけど(^^;;)

あくまでも初心者向けのページなので細かい部分はあえて省略しています。

また、いずれの解説にも「例外」の物が存在したりします。
が、ややこしくなるだけなのであまり「例外」的なものには触れないようにしています。

画質についての基礎知識

おおざっぱに言うとデジタルカメラの写真画質は
・イメージセンサー(撮像素子)のサイズ
・レンズ
・画像処理エンジン
の3つで決まります。

が、ここは初心者向けのページなので最後の「画像処理エンジン」は無視して下さい(爆)
これをヘタに気にすると買うタイミングが難しくなるだけなので。


イメージセンサー

まずイメージセンサーですが、これまたおおざっぱに言うと
サイズが大きければ大きいほど画質が良くなります。
また、サイズが大きいほうが高感度にも強くなります。
(暗いところでの撮影に有利になるという意味です)

携帯(ガラケーもスマフォも)は極小サイズのイメージセンサー、
コンパクトカメラも携帯ほどではないけど小さめのイメージセンサーが使われています。

一眼カメラはもちろん大きめのイメージセンサーです。
一眼カメラには一眼レフとミラーレス一眼の2種類がありますが、
使われているイメージセンサーはメーカーや機種によって様々なので
単純に「一眼レフカメラのセンサー>ミラーレス一眼のセンサー」というわけでもありません。
(一眼レフのほうが大きなセンサーを使う機種が多いですけどね)

例外的に一眼カメラより大きなイメージセンサーを使っている
コンパクトカメラなどもありますが、
「ズームがなくレンズ交換もできない」
などの制約があります。

また、一般的に大きなイメージセンサーを使うとカメラの本体も大きくなります。
値段も上がります。
(イメージセンサーって高いんです)

イメージセンサー
写真の赤枠部分がイメージセンサーです。


レンズ

次にレンズですが、これもおおざっぱに言うと
デカくて重たいレンズの方が高画質です。
(おおざっぱすぎて怒られるかな?)

ただ、カメラ本体よりもレンズの方が品質に対する値段の上がりっぷりは
すさまじいです(^^;;
レンズ1本で普通に車が買える値段の物とかあります。

また、レンズは広角レンズ、望遠レンズ、魚眼レンズ、
単焦点レンズ、ズームレンズなど種類もたくさんあります。

レンズの種類によって画質が変わるというよりは、
レンズの種類によって撮れる写真が変わるという点に注意しましょう。

なので、「Aという望遠ズームレンズとBという魚眼単焦点レンズはどちらが画質がいい?」
などという比較はできません。

ちなみに大きなイメージセンサーに対応したレンズは大きく、重たくなる
という特徴もあります。


たまに勘違いされている方がいますが、一眼カメラを買えば
どのレンズでも使えるようになる訳ではありません。
つまり、キャノンの一眼レフを買ってもニコンの一眼レフ用レンズは使えないのです。

一眼カメラとレンズは全て「マウント」と呼ばれるそれぞれの規格に対応しています。
同じメーカーでも複数の種類のマウント規格の製品を出しているところもあれば、
複数のメーカーで同一の規格のマウントを利用している場合もあります。
(メーカーが違ってもマウントが同一であれば他社同士のカメラ本体やレンズを利用できる)

レンズの詳細、マウントの種類については機種選択編で説明します。

レンズ

画質における誤解

この章は豆知識的な内容なので、読み飛ばして頂いてもかまいません。
興味がある方だけ読んで下さい。


「高解像度=高画質」という考え方がカメラの世界で未だに蔓延していますが、
(昔よりは落ち着いてきた気はするけど)
これは「ある意味では正しいけど、ある意味では間違い」です。

解像度ってのはデジカメのスペックとかにも記載されている
「1200万画素」とか「1600万画素」とかってやつです。
数値が高い方が、同じ絵をより細かい点で表現できると思ってください。

ちなみにテレビの世界で言うと、
DVD画質が720×480の約34万画素、
Blu-ray画質が1920×1080の約207万画素です。

当然同じテレビで同じ映画を見比べたら画素数が多い(=高解像度)Blu-ray版の映画の方が綺麗なのは
言うまでもないことだと思います。


同じ場所、同じアングル、同じ画角(正確ではないけどレンズのズーム倍率とでも思っていて下さい)で
写真を撮影した場合、上で説明した理論で言うと当然ながら高解像度のカメラのほうが
綺麗な写真が撮れるはずですよね?

しかしカメラの世界では単純にそうとも言えないのです。

ちょっと極端な例を挙げますが、
1200万画素のスマフォのカメラと800万画素のコンパクトカメラで画質を比較したら
ほぼ確実にコンパクトカメラの画質の方が良いと思います。
(古い機種のカメラとは比べないで下さい(^^;;)

前述したように、画質にはレンズの良しあしの影響を受けるので
スマフォの小さいレンズとカメラのレンズと比べたら
画質に違いがあって当たり前じゃん!って感じですが、
もう1つ画質を決めるものがありましたよね?

そう、イメージセンサーのサイズです。

一般的にスマフォのイメージセンサーは極小です。
なので、いくらカメラよりスマフォのほうが高解像でも
画質はカメラには及ばないのです。
(くどいけどレンズのせいでもある)

イメージセンサーには大きさによって画素数に限界があります。
同じ大きさのイメージセンサーで単純に画素数を大きく増やしてしまうと
1ピクセル(1つの点)あたりの光を受ける面積(受光面積)が減ってしまいます。
受光面積が大きいほうがノイズ耐性や色の表現力などに有利になります。

最近のスマフォの機種には1300万画素以上のものもありますが、
正直言って極小イメージセンサーでかなり無理をしていると思います。

無理をしてても、それなりに綺麗に見えるのは
ソフトウェアでバリバリ加工しているからです。

でもやはりバリバリ加工された写真は問題があります。
スマフォの小さなモニタで見る分には綺麗に見えますが、
高解像度のモニタで見ると色々とアラが見えます。
空の色が異様に綺麗なブルーになっていたり、
紅葉がやたら赤々しかったりする不自然な色です。
加工すればするほどディテールも失われます。

iPhone5s(5c)はちゃんとそのへんのところを抑えていて
800万画素に留めていますしね。

と、否定的なことをだらだら書きましたが、
スマフォ内で撮影・加工・閲覧を完結する場合は
全く問題ないとも思っています。
てか、最近のスマフォの写真加工技術はすごいと思いますし。

個人的にはスマフォのイメージセンサーでは800万画素、
コンパクトカメラのイメージセンサーでは1200万画素ぐらいが限界だと思っています。
(コンパクトカメラはハイエンド機種では大きめのセンサーを使っている物があるので
 そういった機種はもう少し高解像度でも問題ないと思います)

それ以上の画素数を謳い文句にしている物は、
ちょっと無理してるなぁ・・・と。

コンパクト、ミラーレス一眼、一眼レフの違い

前の章でもちらっと説明しましたが、デジタルカメラには
・コンパクトカメラ
・ミラーレス一眼カメラ(ノンフレックスカメラとも言います)
・一眼レフカメラ
の3種類があります。


コンパクトカメラ

コンパクトカメラはその名のとおり、サイズが小さめ(コンパクト)で
持ち運びに便利で、基本的にレンズは光学ズームを備えています。
レンズは本体と一体型なので交換はできません。
また、イメージセンサーが小さめなので、一眼カメラに比べると
画質的には及ばないところがあります。
(それでも最近の機種は十分に綺麗だと思います)

また、コンパクトカメラにはハイエンドと呼ばれる物も存在し、
一般的に通常のコンパクトカメラより少し大きめのイメージセンサーが
使われていたりします。


ミラーレス一眼と一眼レフ

次にミラーレス一眼と一眼レフの違いですが、
名前の通り「レフレクターと呼ばれる反射板(要は鏡=ミラー)」が内部にあるかないかの違いです。

レフレクターがあるから一眼レフ。
ミラーがないからミラーレスです。

では、レフレクターの有無で何が変わるのかを説明します。

そもそもレフレクターはレンズから入ってきた像を反射させて
ファインダーに映す役割をしています。
ファインダーってのはピントや構図を決めるときに使う
「覗き窓」の部分のことです。

普段はレフレクターがイメージセンサーの前にありますが、
シャッターを押した瞬間だけレフレクターがぱっと上に上がって
レンズから入ってきた像がイメージセンサーに投影されて
写真をとることができます。

レフレクターを動かすスペースが必要になるため、
本体がその分、大きく、重たくなってしまいます。


逆にレフレクターがないミラーレスはそのスペースが必要ないため
本体を小さくすることができます。

ただ、それと引き換えに光学ファインダーがなくなります。
その代わり、ミラーレス一眼では
レンズから入ってきた像を常にイメージセンサーで処理し、
処理された映像が背面の液晶画面に表示されるので
その映像でピントや構図を決めることになります。
ミラーレスでもファインダーがついている機種はありますが、
それもイメージセンサーで処理された映像が映されています。
(電子ビューファインダーになります)

「それだけの違いだけならミラーレスでいいじゃん!」
と思うかもしれませんが、実はこの違いで1つ問題があります。
(バッテリー消費も少し増えるという問題があるから2つかもしれんが)

ミラーレスはいったんセンサーで処理された映像が映されているため
実際の映像と微妙なタイムラグが生じます。
たった0点何秒の世界ですが、これが問題になる場合があります。

スポーツ選手、動く車や電車、動物など、
早く動くものを撮影するときにこの微妙なタイムラグで撮影がズレるんです。

もちろん動かない風景、建物、料理などをメインに撮影する場合は
全く問題になりません。

また、背面液晶を見ながらの撮影の場合、太陽の日差しが強いと
眩しくて映像が見えないケースも・・・
(これを解決するために、チルト可動式液晶モニターという
 背面液晶を動かすことができる物もあります)

一眼を選ぶときには大きさだけでなく、これらの点にも注意して選びましょう。

ちなみに私は動く被写体を撮影することがほとんどないので
機動力重視でミラーレス一眼を所有しています。
(理由はそれだけではありませんが)

更新履歴

2014/01/10 本ページ新規作成


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